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エネルギー自立地域経済好循環 × イノベーション 
                 持続可能なまちづくり

ヴォーバン Vaubanについて

2007年末には、ソーシャル・エコロジー住宅地、ヴォーバンが完成を迎えました。舞台は環境先進国といわれるドイツのなかでも、とりわけ先進的な都市フライブルク。すでに住宅地の計画策定作業の段階から、ドイツ国内はもとより、世界から大きな注目を集めています。

その理由は、「拡大住民参加」「学びながら進化する都市計画」「マイカーを極端に減らし、自転車と徒歩交通を推進するカーフリー構想」などの施策に加えて、「省エネ住宅(パッシブ・ソーラー住宅)」「コージェネと地域暖房によるエネルギーコンセプト」「公園と道路、家庭を結ぶ緑のコンセプト」など、各分野において持続可能な社会を構築するための新しい取り組みが住民主導で行われているからです。

ヴォーバン住宅地は軍用施設の跡地38haをフライブルク市が分譲し、開発した新興住宅地です。最終的にはここに5500人の住民が暮らし、600人分の職場が生み出されます。

ヴォーバンでは、上述の「エネルギーコンセプト」「省エネ住宅」「カーフリー」 などの対策を行ったため、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が、特別な対策をしなかった場合に比べて、およそ6割削減されています。そのうえ、社会福祉的な結びつきも深く、通常の住宅地以上の豊かさ、エステーティーク(美観)、アイデンティティが実現されています。追加の投資コストなしで、化石エネルギー依存を減らし、同時により高い豊かさを実現する。ヴォーバン住宅地とは、まさに、一足先に辿りついた持続可能な低炭素社会へ先進事例といえるでしょう。

1997年から10年の歳月をかけて開発されたヴォーバン住宅地。38ヘクタールの敷地に5,500人が住み、600名分の雇用が発生した。

(航空写真:出典フライブルク市、Stadt Freibrug)。

住民がワークショップによって設計した近自然型の公園で遊ぶ子供たち。背後には多様な景観を誇るメゾネット・連続式の住居が連なる。

家の前には、車庫ではなく、自転車の駐輪場が設置。ヴォーバンでの主力交通機関は自転車であり、こうした欧州の先進住宅地、自治体において自転車交通はルネッサンスを迎えている。

在来種をメインとした多様な緑が庭に植えられている。長屋連続式住宅の2列の間には、それぞれの庭が設置され、緑のラインが繋がる配慮がなされている。

長屋連続式住宅の道路に面した部分は、緑の前庭を整備することが指定されている。家の前や家の裏、家の前の道路で遊び、大きくなった子供たちが形作る将来 とTVゲームで育った子供たちが作る将来。これら2つの将来像は全く異なるものになるはずである。私たちはどちらの前提条件を優先して整備し、子供たちに 与えてゆくべきであろうか?